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税理士 九条の会だより
2006年9月1日発行 第2号
 
9名の著名人による「九条アピ−ル」は燎原の火のように広がり、各地域、職場、学園に4770も結成されました。(6月10日現在では5174) わが税理士界も「九条の会」を立ち上げ、こころざしを同じくする人たちとともに何らかの行動をすべきと考え、昨年9月から準備会をもっていましたが、6月1日、全郵政会館において、81名の参加者で結成総会が開かれました。
 

  開会のあいさつは呼びかけ人の代表である阿部国博さんが「私も軍隊の経験者でかろうじて生き残った組です。もう二度と戦争はしない、させないといった誓いが九条で、これはこれからも絶対護っていかなければならないと思っています。東京税理士会の役員に呼びかけ人をお願いしたが、壁があり、色よい返事がもらえなかった。組織的には勉強して、知識を身につけ、相手を説得できる力を養う必要がある。若い人に訴えかけを強めていきたい。今日までに会の代表を決めたかったが、残念ながら就任の返事をいただけなかった。しばらくは呼びかけ人代表の3人がそのまま代表を務めたいと思います」

 経過とこれからなすべきことを久保田さんが報告。「本日の総会までに準備会を5回、事務局会議を5回行い、呼びかけ人OKをいただいたのが140人、お名前は出せないが、趣旨には賛同する方が35人になりました。この会の運営はすべてカンパ(募金)でおこなうことにしていますが、149名の方から250万余の資金が寄せられました。お一人からは100万円の寄付があり、{平和は当たり前ではない。ひとりひとりの努力で護るものであり、私の残りの人生を賭ける}と言葉がありました。この浄財を基にして、通信費、印刷費ほかの諸経費を使い、今のところ215万余が残っています。会の代表については複数の方に打診しておりますが、いまだ決定にはなっておりません。決まり次第、世話人会の了承を得て発表いたします。
  今後のことですが、全会員に会の存在を知ってもらう訴えを行いたい。そして10月にはぜひ研修会を企画したい。 ただしそのための経費ですが、80円の切手代だけでも144万円、返信用でも入れれば234万円にもなりますので、工夫をしなければなりません。ニユ−ス発行も考えたいし、税理士として予算と軍事費みたいなことも研究してみたい。なかなか大変なことだと予想されますが、覚悟してやっていきたい。国会の力関係はきわめて憂慮すべき状態で、改憲を目的にした国民投票法案が提出されています。次の国会の動向を注意深く見守る必要があります。若手の税理士の人たちがあまり関心を持っていないのも大変気になるところです。平和は当たり前という感覚だと思いますが、そうではないのです。やはり、ひとりひとりの不断の努力が必要なのです。税理士の仕事先は中小企業と個人事業主ですから、平和でなければ仕事確保にはならなりません。このことをよく理解してもらう必要があります。次の世代に平和と民主主義、人権擁護の憲法を引き継ぐことはいわば私たちの義務だと思うのです。全税理士の過半数を目指して運動していきたいので、ぜひご協力をお願いしたい。」
  会則は豊田さんが説明、九条の会の呼びかけ人の名前をすべて書き込むなど、一部を手直しすることで承認。役員については乾川さんが提案、拍手で承認された。閉会は呼びかけ人代表のひとり、市吉澄枝さんが「本一冊自由に読めなかった時代が現実にありました。お若い人にはピンとこないのかもしれませんが、命を含めてすべてがお国のためにご奉公という時代でした。赤紙一枚で軍隊に狩り出されるのです。こんな世の中にしては絶対にいけません。再び逆戻りすることのないように多くの人に呼びかけていきましょう」と話しました。

 

憲法はほかの法律とは違って、国民が権力を縛る、唯一の法律です。ここを忘れてはいけません。

九条と前文
  自民党の「新憲法草案」は前文と9条を書き換えて、戦争をしない国から、戦争をする国へはっきり変えようとしているのです。この結果国民の憲法を遵守する意味が、戦争反対から、戦争参加へと代わることになります。9条2を削除し2を新設します。標題も「戦争放棄」から「安全保障」になります。このことで非軍備、非戦、平和主義の九条を、構造的に破壊するのです。アメリカとともに海外で戦争をすることを憲法で認める。これが新憲法草案の仕組みです。

 

 現行憲法は9条の1.戦争放棄 2.戦力不保持 3.交戦権否認の三本柱、そして前文の平和生存権の明記によって、非戦の平和主義を明白かつ不動のものとして確立しています。特に2項の非軍備・交戦権否認の規定は、日本が海外で戦うことを絶対に不可能にしていました。1項のみではほかの国にも似た条文がありますが、2項は日本独自のものです。2項があればこそ軍隊を持たない歯止めになり、戦争をしない国にしているのです。これを廃止し、自衛軍を保持するとしているのが、新憲法草案の最大の特色です。現にある自衛隊は軍隊ではないのか、と思う方がいるかもしれませんが、歴代政府は「自衛隊は軍隊ではない」といい続けてきたのですから、「軍隊といえない軍隊」を「普通の軍隊」に昇格させる。そしてイラクをはじめ世界カクチデ、アメリカ軍と一緒に戦えるようにするのが狙いです。1.軍隊を他国に派兵することが合憲になる 2.他国の軍隊と共同作戦もあるので、集団自衛権の行使は当然 3.軍事裁判所の設置、軍事作戦上必要な国民総動員法や国家機密法も、状況によっては徴兵も可能、これが軍隊を明記した{一石三鳥}の効果です。イラク派兵のときに使った小泉首相の文言とまったく同じです。
  国民が国を縛る唯一の法律(l立憲主義)から、国が国民を縛る(権力の乱用の拡大)へと代わります。「戦争する国」にすることに邪魔になる現行憲法前文の重要な文言、あの侵略戦争の反省、非戦、平和への決意と誓い、そして平和生存権を新憲法草案は削除しました。また「国際協調」「圧制と人権侵害の根絶」など、アメリカとともに戦争をするための言葉を書き込んでいます。
  新憲法草案では「日本国民は帰属する国や、社会を愛情と責任感と気概を持って自ら支え守る責務を共有し、・・・・・・・」とありますが、帰属する国とは何か、これは戦争をする国にすることです。「戦争をする国」への改憲は自由と民主主義、人権を奪うことになります。バタ−を奪い、[弱肉強食]「格差拡大」の国になります。自ら支え守る責務とは何か、国防義務を指しているのです。国家機密法、徴兵制も選択肢に入ります。

 講師の熱意あふれる講演は、天皇制、個人の尊重と幸福追求権(12条、13条)、憲法草案が新設した20条3(信教の自由)64条の2(政党)76条3(裁判所と司法権)96条(改正)など多方面にわたりその危険性を指摘されました。 また国会に提出された「国民投票案」について、主権者である国民は憲法制定以来60年間、一度も改憲を要求してこなかったのに、突然でてきたことの問題点を解明しました。これらは次号に掲載いたします。

税理士九条の会 役員
世話人代表  阿部国博 市吉澄枝 渡部至
世話人     相田英男 飯島健夫○乾川日出夫○小澤啓一 粕谷幸男◎久保田幸夫 佐伯正隆
         ○田村美也子○豊田栄一郎  新国信  深川加代○堀口国雄 山田和江○横山南士
         ○吉本貢 米沢達治  (○は事務局、◎は事務局長、新国さんは監事)

連絡先:久保田幸夫 Tel:03-3313-9679 Fax:03-3312-6470